【考察】クライミング・ジムの儲かる仕組みを考える

クライミング・ジムの儲かる仕組みを考える。
通常、サービス業のビジネスモデルは、カフェや居酒屋同様、

・客席回転率を上げる
・店内の商品を購入できるようにする。
・単価の高いサービスをする。
・昼と夜(時間帯)で異なるサービスをする。

である。

ところが、クライミングは顧客が2時間以上いることが普通で客席回転率を上げにくい。また、壁を同時に登ることができないので、1面1名の規制があり、そうすると、室内全体としての最大顧客数に厳格な制限がある。また、経費はほぼ固定費である(*1)

一方、オリンピックでスポーツクライミングが選ばれているのと、一人でも遊べるので今の若者に合ったスポーツであるが、しかし、競争状態は激化し、オリンピック後は減速することは容易に理解できる(*2)

すなわち、
(*1)は内部環境上の課題、
(*2)は外部環境上の課題、
ということになる。

それではいこう!
まず、すべきことは、計数情報(KPI)を収集することから始める。

1.顧客の属性と分類
2.時間毎の顧客数
3.顧客一人当たりの滞在時間
4.顧客一人当たりの月訪問回数
5.売上などは容易に管理されているとする。

また、顧客アンケート(口頭で質問する内容を決めておく)をしっかり記録しておく。

1.本日の混み具合はいかがでしたか?等
2.その他必要な質問

特に、顧客が不満を抱く「最大顧客数」を推定しておく。

次に、この「最大顧客数」を中心に思考を広げていく必要がある。

・1Dayで利用する顧客が増えると「最大顧客数」で収益が頭打ちになる。
・1mon/1yearで利用する人が増えても「最大顧客数」で収益が頭打ちにならない。

という事実がわかるから「1Day ⇒ 1mon/1year利用への移転仕組みを作り出す」必要がある。

一方、室内で消費する商品を置いておくと、顧客単価が増加する。例えば、クライミング・ツール、スタバ等のコーヒー、デザート、果物などである。今まで休憩時間にコンビニ行く顧客が多いはずで、それらを内部留保する移転仕組みは必要である。

さらに、多様な価格帯を設定して付加価値を提供する必要がある。容易に考えられるのは、有名○○○者在住とかであるが、実はこれはあまり付加価値の提供にならない。それよりも「当ジムではより次へのステップへ進むことができる」というストーリがある方が人は価値を見出す。例えば、本ジムの特別会員の人(年間費****円)は、「室内ボルダリング⇒外岩ボルダリング⇒リードクライミング⇒アルパインクライミング」のような進化するマイルストーン(年間スケジュール)を描けるようにしておく。特別会員は「外岩へいくとき、無料マットの貸し出し等」も有効である。

■オープンソース化
顧客同士で繋がり合うと、自動的に付加価値を高めてくれる可能性がある。例えば、○○○さんと一緒に居ればグレードが上がる、外岩に行ける等、そもそもジムでは提供できないことも顧客同士で高めていくことになる。これは意外良い競争優位性に繋がっていく。

ところで、普通に考えると、「セッターのコンセプトの良さ」や「コンペ大会」も大切であろうが、どこのジムもやっているので差別化要因ではないと思っている。つまり、本当に収益に繋がるのかどうか、上記「KPI」を確認しながら、その有効性を図っておく必要があるだろう。

まとめよう!

1.顧客が不満にならない最大顧客数を高める方法を考える
(時間の平滑化・分散、1Day利用者の時間制限)
2.1Day ⇒ 1mon/1year利用への移転仕組みを作り出す。
3.室内で消費する商品、利用する商品を販売する(食べ物等)
4.1Day/1monだけではなく特別会員のような価格帯を設定して、
付加価値を提供する(特別会員様向けスキルアップする年間ストーリ)
5.顧客同士の繋がり合いを促進して付加価値を生み出させる。
6.それらを下支えをする計数管理をしっかりしてPDCAを回す。

以上。