僕は自分でいうのもなんだか、コミュニケーション能力は極めて低い。たぶん、研究肌/職人肌であるから、何事も自分の内面に閉じて考えているからだろうと思う。それでも、社会人/組織人であるから、この弱みを改善したくて「有名会社のコーチング研修受講」や「演劇にチャレンジ」と、向上させようと思ってきた。それでも、自分のコミュニケーション能力は高まったとは思えず、まぁ~「才能なし」と判断するようになってきている。…
ただ、最近思えることを少し述べておこう。
1.ボルダリングのコミュニケーション能力
クライミングの一つの種類に「ボルダリング」というと遊びがある。これは何も使わず一人で遊べるから最近若者を中心に盛んである。室内ジムに行くと世の中にこんなに若者がいたのか、と明るくなる。そして、この遊びは、チームで遊びをするわけではないので「個人の身体能力」だけあればよい。
結果、コミュニケーションのレベルとしてはジム内にいる人達との「心地の良い関係づくり」になる。つまり、お互い笑いあったり、共感したり、雑談したり、というレベルである。
そうであると年齢を超えた楽しさがある。学生のノリで十分ボルダリングは楽しい。社会人/学生/小学生が同じ土俵で話ができ、共通の話題で盛り上がる。他人の小学生とそんな話題で盛り上がることは40代の社会人では不可能だが、ボルダリングを通じて、それができるのは、必要なコミュニケーション能力が「心地の良い関係づくり」だからである。
2.リードクライミングのコミュニケーション能力
クライミングの違う種類に「リードクライミング」という遊びがある。一般の人がイメージしているのはこのリードクライミングだが、数名がローブを繋ぎ合うのでコミュニケーションは複雑になる。もちろん、「心地の良い関係づくり」は大切だが、それ以上に「安全」という目的を共有してリーダーは他のメンバーに指示を出すことがある。
その時、リーダーの必要なコミュニケーション能力は「相手の立場でコミュニケーションを取る」ことである。お互い険悪にならない程度で言うべきことを上手に伝えたりするには、相手の立場を想像する必要がある。
さらに、他のメンバーにやってもらうことがある。例えば、ロープを持ってきてほしい、レンタカーを借りてほしい、地形図を作ってきてほしい、とチームで動くための役割が発生する。それらをうまくコミュニケーションを取らなければリーダー失格となり、安全性は極端に悪くなる。
3.雪山登山のコミュニケーション能力
雪山登山になると、お互い「ディスカッション」をして、山で起こる困難にチャレンジしていかなければならない。必ずと言ってほど問題が起こる。道に迷う、吹雪にあう、テントが壊れる、多くのことが起こる。それらはリーダー一人で解決できるレベルではなく、チーム力で創造性を発揮しながら、解決するコミュニケーションが求められる。
そうすると自ずとして、チーム力が発揮できるメンバーに限られてくる。例えば、年齢が近い、組織の上長レベルの経験がある等が必要となってくる。お互い惹かれあうところもあるから、なかなかメンバー選別は難しいが、「チーム力を構築できるコミュニケーション能力」がメンバー全員に必要になってくる。
■結論
このように、コミュニケーション能力の違いが出てくるのが一般的で、それに合わせてどう対応していくのか、必要なことだろうと思う。そして、遊びでも仕事でも家族でも、それぞれの状況が上記の3つの分類をしたように、我々社会人もそれぞれの状況をうまく分類することから始めると、それだけでさまざまな気づきを得て、コミュニケーション力のさらなる向上に結びつくことになると思っている。