八ヶ岳・南沢・小滝2(アイスクライミング)

日時:2017年03月11日
目的:アイスクライミング(研究課題検証)
山行:八ヶ岳・南沢・小滝
:中辻(ソロ)

再度、八ヶ岳・南沢・小滝にアイスクライミング行ってきました。02/26日前回の課題事項であったソロでのロープ繰り出しの実証実験の為、登りやすい小滝へ再度選択しました。天候は良く、小滝まで歩きやすかったです。小滝までの登山道は他の山岳会のメンバーとお話しながら歩いてきました。ソロだと孤独のように思えますが、他のメンバーとの交流しやすいメリットはあると思います。小滝の10時頃までまた貸し切り状態です。

自宅で何度か課題解決方法をトレーニングして、上手く行きそうだと思った方法を幾つか試して小滝で検証してみました。その一つがロープの繰り出しは手で引っ張らなくても自動的に繰り出されました。そして、安全の為アイススクリューのピッチを小さくして、3つまで安全だと思われる範囲で軽く落ちてみました。上手く止まりました。何度か環境を変えて検証してみました。欠点は人間が逆さまで落ちると確保されません。しかし、特殊な道具(ソロイスト等)を使わず、ありきたりの道具で出来るのでなかなか自分では良いかな、と思いました。

その後が、問題でした。検証後、トップロープにして登攀練習をしようと思いました。気温が上がってくると、滝から水が浸み出し、そして、その染みた水がロープを伝って、さらに、外気に触れて凍るという現象があります。長々とロープを垂らしていた為、ロープが完全に氷、アッセンダーが機能しません。これでは登れないので、スクリューで安全確保を取りながら、登り返して、ロープを回収することにしました(左から滝を巻くのは練習にならないので)。

そして、ロープでムンターヒッチ懸垂下降をするとき、バックアップを取ったロープスリングが氷に引っかかり、スタックしてさらに浸み出てきた氷で、プリジックが完全に氷の塊のようになってしまい、男の力でも動きません。仕方がないので、荷重を解除しようと思って仮固定をしようとするが、メインロープもツララのように凍ってしまいできない。万が一のことを考え、残っていたスクリューでセルフビレイをとってから、別の長いスリングをプリジックで巻き、足を掛けて荷重を解除しようとしました。しかし、今度はこの長い脚に掛けたスリングが凍ってしまい、またもや、氷の塊になってしまいました。

どんどん水が浸み出してきたので、これは困るな、と思い、セルフビレイ側に荷重を掛けて、何とかムンターヒッチ+バックアップをハンマーで叩き、何とか解除でき、さらに、残った、長いスリングも叩きならが、解除できました。今後の下降は、ATCに変え、バックアップを取らずに何とか下降しました。完全凍ると、懸垂下降時、手が滑るので怖いものですが、これは何度も経験しているので上手く降りれました。

また、一つ学びました。ビレイヤーがいないと、ロープがそのまま滝に触れ、ながながとぶら下がるので、結構早く凍ってしまうのです。外気温及び滝の状況をもう少し判断する必要がありました。

反省点:
懸垂下降のバックアップを凍ったとき、どうするか、少し考えておく必要があります。
自己脱出用のロープスリングが使えない場合の、自己脱出方法をもう少し体系化しておく必要があります。殆んどの情報が岩場でのトラブルなので、今回のようなアイスでのトラブル解決を事前に考えておく必要があるような気がしました。
これほどロープを水が伝って、あっという間に凍ってしまうということは素直に経験不足です。登れるだけが山登りではないと改めて反省しました。

良かった点:
スクリューを緊急用に一つ確保していたので、今回セルフビレイを取れました。懸垂下降だけではなく、必ず緊急用に持っておく必要があります。

全体的に課題発見ができ、よいトレーニングとなりました。ロープの繰り出し方法については概ね解決できましたが、今度また新しい課題を見つけ、対策を講じておきたいと思います。

その後、少し登りたいなと思い、他の方にお願いしまして少し登らせて頂きました。ありがとうございます。今年のアイスクライミングはこれで終了です。来年に向けて、学びを保存しておきたいと思います。