北アルプス・剱岳・源次郎尾根(バリエーション)

日時 :2017年09月02-04日
目的 :バリエーション
場所 :北アルプス・剱岳・源次郎尾根
メンバ:ソロ

02日:室堂(8:45)-雷鳥平(9:30)-別山乗越(11:30)-(12:30)剱澤キャンプ場
03日:剱沢(4:40)⇒取付き(5:50)-(Ⅰ峰・Ⅱ峰・源次郎尾根)-(11:00)剱岳-(15:30)剱澤キャンプ場
04日:剱澤キャンプ場(6:30)-(10:00着)室堂

天候も良く、とても快適な山登りでした。

久しぶりの源次郎尾根、腰痛も改善し再発の危険もなさそうですから、剱岳を観に行こうと思いました。
事前に天候予測をしてみると、台風が東の海上を北上していますから、やや湿った空気が流入するはずです。ですが、南風となり北アルプスの山域を超えられないことを考えると、剱岳は大きく天候が悪化することはないと思っていました。あったとしてもやや強い風でしょう。台風が過ぎ去ってからは移動性高気圧の淵ですから、霧が多いように思えました。もしかすると、関東平野は先週末天候が悪かったかもしれません。

ということでほぼ天候の心配はありません。
扇沢からのアルペンルートは正直うんざりです。何度も乗り換えていくのですが、人が多く、待ち時間も多いのです。僕は立山側から行く方が好きです。実は扇沢からの入山は初めてなのです。1日目はゆっくり剱澤キャンプ場に向かいます。剱澤キャンプ場周辺は霧に覆われ何も見えません。しかも、かなり涼しく(寒い)さっさとテントを張り、ゆっくり翌朝の準備をしました。明け方の気温は5度以下だったと思います。

2日目、3時に起床して4時半頃出発です。剱澤下降、残雪は硬くアイゼンを付けます。1時間程度で源次郎尾根の取り付です。そこから始まりです。最初の5分でⅢ級程度の岩場が現れます。これが1個目の難所と言われます。次にⅣ級程度の岩場が現れます。これが2個目の難所です。どちらもフリーソロで通過します。ちょうど一人の女性が同じ時間に通過しようとしていましたので、ここで声を掛けて、せっかくの縁ですからご一緒させていただきました。この女性もフリーソロで通過します。同じチームでしたら、確保した方がいいかもしれません。確保しましょうかと声を掛けましたが、しかし、大丈夫です、と返答があったのとお互いソロなので意思を尊重しました。

そして、木登り木登りの連続です。木登りが消えるとスラブが現れます。鈍いナイフリッジなので足を滑ってしまうともう助かりません。200メートルは滑落します。これが3個目の難所です。次にルンゼを数メートルトラバース箇所がありますが、ここも怖いです。小さな岩に足を乗せてトラバースしますが、手がかりがありませんのでバランスで通過します。そうすると目の前にⅠ峰が見えます。ルートファインディングに問題はないのですが、幾つかルートを間違いそうなところもありました。岩稜を登ったり降りたりします。Ⅰ峰に来ると八つ峰が綺麗です。Dフェースに1チーム登っていました。Ⅰ峰を超え、Ⅱ峰の懸垂下降です。30メートルと言われていますが、途中にテラスがあるので50メートルのロープで十分です。

その後、ガレ場を登り、つめたところが剱岳山頂です。最後登っていると人影が見えます。そうすると少し感動的です。向こうからも写真を取られてしまいました。山頂到着後、写真を取って水分補給を済ませすぐに下山です。山の山頂は怖いので、一般登山道で下山です。一般登山道も危険ですから、慎重に下山して剣山荘でうどんを食べテント場へ無事帰ってきました。

3日目、ゆっくり剱澤キャンプ場を出発、天候は曇りでしたが気分よく下山してきました。いつも通り、薬師の湯でゆっくりして東京に戻ってきました。

反省点:
確保を取るか取らないか、という判断は「滑落の可能性とそれが起こった場合の怪我の程度」(これを数学では期待値といいます)、そして、ロープ作業等の時間ロスなどを天秤に掛け判断します。ロープを出す以上、スタカットで行いますので支点工作に時間も掛ります。しかし、後から考えても2箇所目の難所はロープを出した方が良かったと思いました。「ついまぁ~行けるか」は少し反省です。

感想:
有名な源次郎尾根も、一般登山道も殆んど登山者がいませんでした。懸垂下降で待たされることもあるし、山頂で写真を取ることもできないほど登山者多いといわれていますが、この日殆んどおらず、快適でした。さすがに、他のチームからの落石があると怖いので、この点、あまり考える必要はなかったと思います。

全体的には楽しい山登りでした。源次郎尾根、ご一緒して頂いた方、ありがとうございました。

 

 

源次郎尾根の取り付きです。

 

Ⅳ級程度の岩場、2か所目の難所です。

 

狭い尾根を登って行きます。

 

スラブですが、左右が切り立っています。滑ると200M滑落です。

 

 

源次郎尾根のⅡ峰まで来ると八つ峰が綺麗に観えます。

 

フェースを登っているクライマーがいました。

 

 

岩稜を注意深く進みます。

 

 

30メートルの懸垂下降です。

 

 

ガレ場を登れば剣岳山頂です。

 

剣山荘まで下山すると安心です。