単に経験を積んでも意味がない。
なんでも山登りに例えてしまって恐縮だが、
山登りの歩き方の基本は、ゆっくり登る歩くことである。
数値的に言えば、心拍数110前後。
それ以上早く歩くと、
有酸素→無酸素運動になってしまい、グリコースを急速に消費する。そうすると疲労が溜り、筋肉/神経共々連動しにくくなる。
登山は下山をしないといけないから、登りに疲労を溜めるような歩き方をしていると下山時に困憊する。
事故を起こす人は、そうやって筋肉/神経共々連動性の欠如から起こることが大半である。連動性が悪いから、足首を捩じったり、転倒したり、する。
ところが、
ここで大きな心理的問題がある。
1.犬や猫のように、速く歩くことが優れている、
という心理
2.概ね登山開始時に登りだから、疲れておらずつ
い速く歩いてしまう心理
遅いやつを馬鹿にして、自分の感情のままに行動している人は、疲労が溜り、下山時に事故を起こす確率が高まる。しかも、心拍数も上がるから汗もかく。水分も必要で、荷物も多くなる。しかし、そういう知識がない人は、改善しようとしない。山に行くとまた遅いことが「悪」となって何度も繰り返す。数年前、友人に何度も指摘した。以前、下山時に骨折をして救助されたことは単なる偶然だと思っている。いずれ、また事故を起こすと思うから、もう彼に誘われても山に一緒にいかないようにしている。
一方、
トレーニングで自分が比較的安全だと思えるコースでは、少し試すといい。トレラン等で心拍数180位まで上げ、登る。2時間程度で標高差1000メートル位まで上がると足が笑い出す。それでも走ると、急速食べることもできなくなるほど疲労が溜まる。一度そうなると、食べ物を受けつけなくなる。食べ物を分解することにエネルギーを使う余裕がなくなるからである。これが悪循環の始まりで、下山時フラフラになってくる。冬山や少し難易度の高い本番であれば、こんなことになれば怖くて仕方がない。
もちろん、トレーニングでは心拍数180位まで上げたり/重たい荷物を持ったりして、体力面を向上させることは必要かもしれないが、しかし、本番ではそうならないようにコントロールする必要がある。
安全な範囲で経験をする → 過去他人が発見した知識を研究する → 自分が陥っている隠れた心理・価値観を見出す → 安全の範囲で自分で試してみる → より高い経験する。
ではないかと思っている。PDCAは「経験学習サイクル」という意味では良い表現だが、やはり、Pが最近気に入らない。Pで終わることが多いから。