南八ヶ岳縦走(天女・権現岳・赤岳)【撤退】

日時:2017年1月2日-3日
目的:雪上トレーニング
山行:南八ヶ岳縦走(天女・権現岳・赤岳)【撤退】
:中辻(ソロ)

さて、毎年冬に一回は来るコースです。なかなか醍醐味がありますし、安全地帯も良く理解していますから、万が一への対処も結構できるコースです。しかし冬の縦走は大変で気象状況で殆んど撤退することが多いのも魅力の一つです。

昨年もチャレンジしましたが、撤退。そして、今回も撤退となってしまいました。

予備日を合わせて3泊程度の準備をして、天女口を出発です。気象分析をして冬型になるのでその勢力次第では荒れることも理解した上の登山です。

1日目は冬型の気圧配置ですが、八ヶ岳の南側は晴天になることが多いのです。これは北風(本当は北西)になると高い尾根が幾つかありますから、その地形の影響を受けるからです。予想通り、綺麗な青空となって気分のよい登山となりました。しかし、稜線に出始めると風が出てきます。特に三ツ頭からの稜線は北風を遮るものがありません。

翌日の天候はさらに冬型が強くなることが予測できます。それ以上行くと危険ですから、風の影響が少ないところでテントを張り、防風対策を準備して停滞です。この場所標高2600M付近です。地形を鑑みると、北風の場合、風を防ぐことができることです。そうしたら、設営後あっと言う間に風が強くなり、視界が殆んど観えない状況になってきました。夕方になると暴風です。21時頃から雪も降り出しトレースが消えます。

翌朝、日が出るとやや風がおさまりますが、これは一時的なことだとすぐに理解できます。また、5日は低気圧が接近して荒れることが予測できます。冬型で天候が荒れても実は北風を防ぐ地形の場合、風が安定するケースがあるのですが、低気圧の場合はダメです。これは本格的に荒れることになり、今テントを張っているところも危険な状態になります。何かトラブルがあって5日まで山にいたとしましょう、そうしたら気象遭難の可能性が高くなります。それはリスクです。

よって、この一時的に風が収めっている間に下山です。それでも視程2メートル程で下山ルートを間違わないように慎重に下ります。暴風の稜線を超え、何とか南斜面の尾根へ、昨日雪が無かったところでも40cm程積もっておりました。その後、南斜面は北風の影響を受けなくなるので、徐々に視界が見え、下山しました。

1泊で大きく風景が変わった山ですが、良くあることです。風対策をしっかりしていれば低体温症にはなり抜くいものです。ですから、慌てずしっかり安全よりの判断をしたいものです。

今回も撤退でしたが、山で1泊をして山の移り変わりを体験することができました。ありがとうございます。