人工壁(リードクライミング100登ノック・4日目)

日時 :2017年07月22日
目的 :リードクライミング100登ノック

「リードクライミング100登ノック企画」ということで、短い時間で100回の登攀練習を行うことで登攀能力を向上させる目的です。場所は固定せず、山梨県山岳連盟、神奈川県山岳連盟山岳スポーツセンター、ストーンマジック(クライミング・ジム)、昭島のクライミングウォール等を利用します。

本日、リードクライミング100登ノック・4日目。山梨の天候はよく、東京に比べて盆地なのでやや湿度が低く、直射日光を浴びなければ苦痛ではありません。様々ルートをY氏と4本登りました。思っているより難しさもありました。途中、癖で観天望気を行うと、雨雲に成長しそうに思えました。この動きは山では注意したいものです。
帰りの高速道路が事故で閉鎖されていたので河口湖方面から帰ってきました。三ツ峠を含めて山梨のことを大分詳しくなりました。

さらに、安全対策のため、徐々に登攀以外の事も追加練習しています。本日は、
・終了点の構成が多様な場合のロアダウン方法の習得
・安全な墜落の練習と確保
を行いました。

只今、16/100

リードクライミング100登ノックは続きます。

新潟県・上信越・越後駒ヶ岳(途中撤退)

日時 :2017年07月16日(途中撤退)
目的 :夏山登山
山域 :新潟県・上信越・越後駒ヶ岳
メンバ:父親、私

天気予測が最も難しい梅雨時期で、特に、「線状降水帯の発生」が最も怖いのです。登山日の一週間前に新潟県はこの線状降水帯によって大きな災害になっており、その後、九州の災害をもたらしたのもこの線状降水帯です。一方、天気が良ければ2000M級の山ですから熱中症等の問題に発展するだろうと思い、晴天の場合は、ロープウェイで行ける八海山・薬師岳を第二候補として登山計画書を策定していました。

天気図を見る限り、天候は良くありませんが、シトシト雨程度だと思って越後駒ヶ岳向け入山しました。しかし、万が一のことを考え、撤退基準を設け、本格的に雨が降り出したら下山処置、を取ることにしました。線状降水帯が突然発生すれば、登山だけではなくアプローチした車自体が危険にさらすことになりますので、時間との勝負です。

よく空を観て、雨雲の情報を確認しながら進むます。父親は登りは早く頑張ろうとします。いつものペースがあるだろうと思ってスピードを押さえる指示は出しませんでした。越後駒ヶ岳へまでのコースはほぼ稜線歩きです。気候が良い季節は景色や花々が綺麗だと言われています。確かに、心地の良い歩きやすい稜線でした。西側の斜面は時折崩れていますので慎重に通過します。手前の小倉山まではアップダウンがあります。なかなか標高を稼げないですが、高尾山を歩いているような感覚です。
歩き始めから実は越後駒ヶ岳の山頂はよく見えていましたので大丈夫かな、と思っていましたが、徐々にガスに覆われてきました。山頂手前で雨が降り出し、止みそうになかったので、ここで撤退基準通り撤退判断です。父親は少し後ろ髪を引かれる思いだったようですが、それでも下山です。そうでなければ安全を担保できません。

下山時、雨が止んだり降ったりを繰り返していましたが、「線状降水帯」が発生してこないか、雷雨が起こらないか、発生した場合に避難場所を考えていました。しかし、問題なく駐車場につきました。

ちなみに、この登山の2日後、越後駒ヶ岳周辺は線状降水帯によって豪雨だったようです。

<反省点>
天候が悪いことがよくわかっていましたので、天候判断・撤退判断には問題はなかったと思います。しかし、逆に夏の晴天になれば2000M程度の山では、かなり熱く大変だったろう、と思います。気温や湿度が高い場合、父親にとっては少しばかり負担だったと思います。父親にとって7月~9月の山登りは、もう少し標高の高い方が体の負担が少ないと思い少しばかり反省しました。ですから、本来今回のような弱雨であった方がよかったかもしれません。始めから登山をしない、という判断はあったかもしれませんが、しかし、微妙なところでした、慎重な人はそうするかもしれません。

 

 

山岳・救急救命講習2017

日時 :2017年07月09日
目的 :山岳・救急救命講習会(神奈川県山岳連盟主催)
場所 :神奈川県山岳スポーツセンター

写真は怪我をしたわけではありません。毎年受講しています、神奈川県山岳連盟の講習会の受講です。この手の講習会は何度も受講しないといざというときに役立ったないので、いつも受講しています。自分を過信せず、出来ないこと/出来ることが真摯に受け止め、知っている、というレベルから使えるレベルに引き上げたいものです。

1. 三角巾の使い方
2. 足首のテーピング
3. 手の添え木と固定方法、足の添え木と固定方法
4. 頭の負傷を三角巾で保護
5. その他、血液の出血量の可視化

また、僕らのチームで、ロープを添え木代わりにできる発見がありました。なかなか良い発見でした。

 

 

富士山・吉田ルート(職場先輩とご一緒)

日時 :2017年07月08日
目的 :職場先輩の引率
山域 :富士山・吉田ルート
メンバ:職場の先輩2名、私

富士宮5合目口(0:20)→山頂大社(7:20)→富士宮5合目(13:20)

職場の先輩と富士山へ。
殆んど登山経験の無い2名ですが、富士山に行きたい、ということでご一緒させていただきました。私自身も高所トレーニングにもなります。前回は富士宮ルートですが、登山経験の無い方には下山が苦しくお勧めできません。一方、吉田ルートもその手軽さから登山者が多く、とんでもなく混雑しますが、下山時は砂利なので少し歩きやすくなります。転倒しても怪我のリスクは小さくなりますので、マイカー規制前の週末に計画しました。

前もって駐車場は満杯になるだろうと思って、東京を21:30に出発しましたが、それで満車でした。偶然一台が出られるということで何とか入れました。ギリギリの時間だったと思います。

40分程高度順応してから0:20に出発します。夜空は綺麗でとても快適な登山です。ゆっくり、進みます。単調な登山道なので面白くないですが、大勢の登山者に会います。下から見上げる山小屋の明かりは綺麗です。山登りをほとんとしない2名ですが、順調です。時折、ペースを下げるようにお願いして、ゆっくり、ゆっくりと何度もお願いしました。

とにかく、登りを急ぐと帰りが辛くなります。しかし、大半の人は体調の良い登りを頑張りすぎるので、それを抑制しながら進みます。8合目付近でご来光と向かえ7時過ぎ山頂大社に到着です。山頂大社で写真とお守りを買った後、まだ、お鉢めぐりはできませんので、ここで下山です。

下山時、登り、順調だった先輩1名が極端に遅くなり、疲労でゆっくりの下山になりました。よくあることです。実は下山の方の筋力は衝撃加重になりますから、普段使わない動作が多くなります。そうすると疲労が激しくなります。山頂付近の下山は急なのでリュックを持ちました。少し早くなりました。8合目からやや緩やかになりますので、先輩のご意向も含めて返却しました。

それでも遅かったのですが、順調です。登った以上、安全に降りないといけません。

ただ、7合目付近から今度が私自身が、「高山病」の始まります。私はどうも遅れてくるのか、下山時に来るのかわかりませんが、前回同様、頭痛と吐き気が始まりました。体力や疲労は殆んどありませんが今回は前回の6月の富士登山より酷いです。早めに下山したいのですが、しかし、先輩の一人は下山スピードが遅いです。

本来チームがバラバラになってはいけないし、私がリーダーですから先に下山するわけにいきません。しかし、少し我慢していましたが吐き気が酷く困りました。可能な限り、彼ら観える範囲で少し先に進む程度で下降することにしました。まぁ他の山では許されませんが、殆んど道間違いがない登山道での決断です。

下山後、頭痛と吐き気は残っています。車に乗ってから少しづつ回復してきました。

またもや、高山病です。なかなか順応してくれません。富士山以外で高山病になったことはありませんが医療関係者に話してみると体質ではないか、ということです。しかし、人間は慣れますから、もう少し順応しても良さそうです。いろいろ細かい反省点はありますが、やはり高山病の軽減は研究課題の一つになりました。

疲労状態の先輩も、駐車場に近づくにつれ元気になって、無事に下山することが出来ました。お二人も、疲れたようですが、何とか達成感を味合ったようです。

【考察】名著「失敗の本質」から自分のクライミングを正す!


クライミング・ジムで「おぃ、あなた達、怪我するわよ」と上から目線で女性に言われたことがある。
僕は5.10c程度のリードしかできない弱いクライマーだから、ゆっくり登っていると、それを危険と思ったのかもしれない。何が怪我をする行為なのか、しっかり指摘してくれれば反省の余地があるが、それ以上、彼女は何も言わなかった。凄い女性クライマーだと思って眺めてみると、確かに、ボルダリングの動きは良い。

ところが、彼女がボルダリングからリードに変え、準備を眺めているとエイトノットは捻じれて美しくない。しかも、登攀前のビレイヤ―とのチェック事項を怠っている(僕のチームは常に電車の車掌のように「指差し確認」を強く推奨している)。まぁ、お互い慣れた仲間なのかと思っていたら、彼女がビレイヤに向かって、ロープの繰り出しが悪い、と怒っている。コミュニケーションを適切におこなっていない。

観てられないな、と不快に思ったので、その日はトレーニングを辞め帰宅した。気分が悪い状態での山登りや登攀はしないことにしている。

ビジネスの社会で有名な名著「失敗の本質」という野中先生らの本がある(随分昔に読んだ)。その中まで、まず「目的を明確にして、それを共有する」ことが如何に大切か、語っている。冒頭の女性の目的は「グレード」であることは明確だ。グレードである以上、登れないクライマーは価値がないと思うのは致し方ない。若しくは、グレードが高いと安全だと勘違いしているのかもしれない。

一方、僕がリーダの場合、目的は「潜在的な危険を察知し安全な判断をして、適切に下山し終える(多少の怪我は致し方ない)」ことである。そのために、ロープワークの研究や組織論、救助救命技術、気象学、読図等が必要になってくる。グレードは少し楽しめる程度で良いと思っている。もちろん、その「少し楽しめる」為には多くの安全判断が必要になってくるのだが。

つまり、
・グレードの大小
・安全判断の大小
いずれかを目的にしているのかの違いである。

いずれにせよ、何が評価基準なのか、チームで適切に合わせておくことは大切であろう。また、逆にリーダーを選ぶ場合、その人が「どのような目的や評価基準」かどうか総合的に見極めておく必要はある。グレードの高さを目的にする人もいるから、そういう人は、とにかく、登りたい、と思っているリーダー/仲間を観つければ良い。

次に、「制限・限界」を知ることの大切さ、である。
それが出来ず日本軍があり得ない程戦線を広げてしまった。同じように制限や限界を知らないと「撤退のチャンスを逃がして、もっともっともと山に向かう」とどうなるか分かる。 そのもっともっとを適切に判断できるためには「制限や限界」を知って、よくコミュニケーションを取っておくことである。
例えば、クライミングの登攀数を8本程度登ると大きく疲れてしまうのなら、その前で登攀を終える必要があることは容易に分かる。だから、最大8本程度というような数字でしっかり仲間を共有しておく必要がある。山登りの場合、「○○時間までに○○峠まで着かなければ撤退」なども「制限・限界」を重視した判断である。

また、「制限・限界」を共有できなければ無限の要求をされてしまう。お前たちもっと登れるだろう!と無責任なリーダーから言われることになる。ブラック企業が長時間残業を強要させるのは、働く人に対する「制限・限界」を知らないからである。

よって、チームの「制限・限界」から思考を広げていく必要がある。

最後に、自己解決・成長できるチーム作りである。
チームとして「PDCA」を回す必要があるからである。実際の山登りや登攀をすると今まで経験しなかったことが起きる。その時、一人の判断ではなく、チームで判断し、その後、チームとして学習していく必要がある。個人が学んでもチームが学ばなければ安全を担保できない。学習していくプロセスを維持するには、もちろん、意見を言える環境と長期的人間的関係は必要である。

1.自分達チームはどうなれば成功なのか? それをしっかし共有しておく必要がある。
2.自分達チームの限界や制約事項を分析し共有しておく。
3.自分達チームがお互い話し合い、問題解決できるような長期的人間的関係作り。

は、しっかり意識したいものだ。

 

 

【参考文献】
失敗の本質―日本軍の組織論的研究 (中公文庫) ,野中 郁次郎 (著) ら.

人工壁(リードクライミング100登ノック・3日目)

日時 :2017年07月01日
目的 :リードクライミング100登ノック

「リードクライミング100登ノック企画」ということで、短い時間で100回の登攀練習を行うことで登攀能力を向上させる目的です。場所は固定せず、山梨県山岳連盟、神奈川県山岳連盟山岳スポーツセンター、ストーンマジック(クライミング・ジム)、昭島のクライミングウォール等を利用します。

本日、リードクライミング100登ノック・3日目。雨なので、Y氏推薦で近くのクライミングジムに行きました。8Mのウォールで、マスタスタイルではないので完登数に0.5を掛けてノック数としました。8本登りましたので、8×0.5で4本としてカウントです。Y氏の登攀力は上達しています。

さらに、安全対策のため、徐々に登攀以外の事も追加練習しています。本日は、リードクライミング途中で終了点まで行けず、ロアダウンする方法を学びました。

只今、12/100

リードクライミング100登ノックは続きます。

 

 

人工壁(リードクライミング100登ノック・2日目)

日時 :2017年06月24日
目的 :リードクライミング100登ノック

「リードクライミング100登ノック企画」ということで、短い時間で100回の登攀練習を行うことで登攀能力を向上させる目的です。場所は固定せず、山梨県山岳連盟、神奈川県山岳連盟山岳スポーツセンター、ストーンマジック(クライミング・ジム)、昭島のクライミングウォール等を利用します。

本日、リードクライミング100登ノック・2日目。8本を目標で、最悪6本としましたが、結果、4本でした。Y氏は4本中3本はノーテンション。僕はすべてどこかでテンションという情けない結果となってしまいました。

100本までまだまだです。

頑張ります。

【考察】山から学ぶ「コミュニケーションのズレ」

コミュニケーションは「ズレ」て当たり前である。個々個人は生い立ちも価値観も違うのだから、どんなに話し合っても他人との理解にズレが生じる。発信者が「常識だろう」と思っていても、受け手は常識と思っていないことが多い。そうすると、発信者は不快になってしまい感情的になる人も多々いる。

私の主観だが、特に、日本の古き男性がその傾向が強い。だから、不快になると言語量が徐々に少なってくる。そして、その傾向で脳が鍛えられないので、さらに、言語能力が低下する。はじめは不快だから話さなかった行動が、本当に話せない人間になってしまう。

こんな状態で山に一緒に入るのはとんでもなく危険になってくる。もし、コミュニケーションを疎かにしているのなら、ソロで山登りした方が安全になってくる。「大人だから分かるだろう」というのは、コミュニケーションを単に怠っているだけである(大人とは何かを問えばいい)。やはり、良く喋ってよく笑って、そして、そうやって話し合うことを大切にしているチームは比較的安全であろう。

具体的な経験がある。
以前、冬・八ヶ岳の南沢大滝でソロでアイスクライミングをしている時、別の3人のチームが隣にいた。そのうちの一人がリードで登った後、ビレイヤが誤って「ビレイ解除」と聞こえたと思い、ビレイを解除してしまった。そうしたら、リーダーがロアダウンでロープにテンションを掛けた途端、墜落しそうになった。的確に判断したもう一人の男性がロープを持ち、手で力いっぱい握り占め、何とか、大事故にならなく済んだ(本来、リード者がロアダウンするから絶対解除をするな、と念を押していれば問題はなかった)。

こういうことは山ではよく起こる。パートナーとのコミュニケーションのズレが事前にあるのならば、それを解消しておく必要がある。しかし、これを怠って、事故が起こってから相手が悪い、など言い出す登山者も存在する。

根本的な原因は、「相手が誤解している」ということを前提にしているかどうかだ。誤解があるのだから、自分が発信したことが伝わっているかどうか「チェック」し「埋め合わせる作業」が必ず必要だ!と思うはずである。

通常のビジネスであれば経済的損失や契約履行違反は起こるが命まで取られない。結婚生活であっても、離婚や扶養上の責任は問われるが、これも命まで取られない。しかし、山登りでは命を落とす可能性が高くなるから、本来趣味レベルの登山者でも日常生活・仕事以上のコミュニケーション能力が必要なのである。

つまり、対策として

1.「他人とのズレ」は絶対存在することを前提にする
2.「他人とのズレ」に気付いても不快に思わない
3.「他人とのズレ」をチェックし、埋め合わせる作業は必ず必要
と考えることであろう。

もちろん、現実的に、山では疲れが「コミュニケーションのズレ」を助長するケースがある。コミュニケーションのズレを埋め合わせる作業は、かなり、エネルギーが必要なことだから疎かになってしまう。出発前、少しでもコミュニケーションを埋め合わせるような取り組みをしておきたいものだ。

 

富士山・富士宮ルート(高所トレーニング)

日時 :2017年06月17日
目的 :高所トレーニング
山域 :富士山・富士宮ルート
メンバ:私(ソロ)
富士宮5合目口(2:10)→山頂大社(8:15)→日本最高峰(8:45)→富士宮5合目(12:10)

下山時、軽い高山病になり辛い登山でした。

2日程前まで天候予測は悪かったので、もう少し北の方へ行こうと思っていました。しかし、前日に天気図を観ると、梅雨前線が南下、さらに、寒気の流入も少ないことから、富士山はかなり晴れる、と予測しましたので急遽富士山にいくことにしました。富士山登山の目的は、高所トレーニングです。

深夜、八王子を出発して3時間程で富士宮5合目口に到着します。登山口で2400mありますので少し息苦しさを感じました。それから、ゆっくり登ってきます。天候がいいのか、星空が綺麗です。結構寒く風も強く気温7度でした。フリースとウインドブレイカを着ています。高度を上げるに従い、かなり辛くなってきます。

登山自体は単調で面白味がありませんが、周りの景色はとてもいい感じです。山頂手前にまだ雪渓が残っており、早朝だとまだアイゼンが必要です。この時期には珍しく滑落すると危険な状態でした。足元をしっかり見ながら進みます。

最高峰の山頂まで息を切らしながらゆっくりと登りました。山頂で八ヶ岳にお会いした方に出会い握手をして少し良いお話をさせていただきました。お鉢めぐりは出来る状態ではなく、さっさと下山しました。お鉢内にはアイスクライミングができるところがある、と聞きました。GWに登れるようです(写真)。10時頃になると多くの登山者が登って来られます。出発時に考えられない程暑く直射日光なので、気温差でも堪えると思います。

下山時、少しづつ頭が痛くなってきます。僕の高山病の始まりです。まぁそのためのトレーニング言っても過言ではないですが。それから、富士宮5合目口で吐き気を催し、何とか車で仮眠をとり気分が良くなってきました。北岳や穂高では高山病になってことはありませんが、富士山は時折このような高山病になってしまいます。

感想
久しぶりの3000m越えです。2年前父親と穂高岳に行って以来で、それから酷い腰痛になってから体が鈍ってしまったようです。冬もアイスクライミングでしたので高所慣れはしてなかったのです。そんなわけで高所トレーニングをしておく必要があるので今回行いましたが、やはり辛いものになりました。
富士宮ルートは山頂まで最も近いルートですが、なんとも登山道が岩場ばかりで下山時辛くなります。

もう一回位登れば、大分高所に慣れて他の地域を楽に登れるようになると思っています。

でも、富士山はやはり静岡側が好きです。海からの空気が見事な雲海を見せてくれます。

【考察】山のゴミ問題から観る日本の仏教精神

GWの立山・雷鳥沢キャンプ場のゴミ問題についての記事があった。確かに、悪質なのかマナー違反なのか、わからないが、しかし、「法的規制」などを持ち出しルールを押し付けることもまた行き過ぎのように思える。マナー違反をした人達が悪者で、それを掲載する人は善人なのか?。人間は自ら間違っていないと思うと他人への要求が酷くなる。だから、この手の記事が真実を語っているのかどうか、読み手はしっかり分析しておく必要がある。

よって、もう少し深入りして、こういう問題を聊か違う視点から眺めてみる。

日本人の多くは、陰徳を好む。
陰徳ができる精神には必ず「どこかに神様が観ている」「どこかに神様が宿っている」という考え方が基本である。山を歩けば、山の神様がいるように思えるのは日本人の特有だと思う。そうやって、山の神様に怒られないようにしていれば、遭難しても助けてくれると考える。

大きな金額的寄付は日本人にとって難しいが、モノの中にある「神様」を大切にすることで金額的寄付に以上の持続可能な社会を構築しようとする。

先日、乾徳山の下山時ご一緒した男性がいる。
よく見ると彼の右手には袋があり、その中にゴミがあった。どうも登山道で見つけたゴミを持って帰るとのことで、「きちんと拾うと、何かあれば山に助けてくれそうで」とお話しがあった。
それを聞いて、ふと、「立山・雷鳥沢キャンプ場のゴミ問題」を思い出した。
一方は大々的に掲載して、あたかもマナー違反者を悪人のように仕立てて、ルールを守らせるようにする。他方、彼のように「陰徳」をして、ゴミを捨てた人を非難せず、目の前のゴミを拾う。

どちらが良いかどうかを話しているわけではない。

(1.)雷鳥沢キャンプ場のゴミ問題について記事は社会規範性に基づいている。
(2.)乾徳山の彼は仏教的精神に基づいている。

ということである。
しかし、(1.)は最終的に「人」を責めることになる。それもその人のことを理解せずに「ゴミを出すな」と、その人を責める。その人がゴミを残せば「なぜ、ゴミを残してしまったのか?」を理解せずに、相手を非難する。確かに、酷いマナー違反の登山者もいるが、大半は過失である。

例えば、岩稜でペットボトルを落とす。テント場の横についおいてしまったナイロン袋が降雪の為埋もれてしまって探すことができない。強風でゴミを入れた袋を飛ばす、何とか回収しようと試みるが、滑落の危険性や雪の状況から断念しざるえない。酷い下痢になってしまう・・・。

そんなこと、登山者で経験していない人などいないはず。

一方、乾徳山の彼は、とにかく、自分にできる登山道にあるゴミを拾う。決して、他を責めるわけではなく「何かあれば山が助けてくれる」という日本人らしい精神で自ら行動をする。

良い悪いを言っているわけではない。いや、本来どちらも必要なことだろうと思う。
しかし、乾徳山の彼の行動は私に大きく気づかせてくれたのは事実である。時に陰徳の行動は日本人にはグッとくる。彼のおかげで僕もそれ以来少しでもゴミを拾うようになってきている。

自分も時に山に対して小さいながら過失がある。やはり、自分を戒める意味においても目の前のゴミを少しだけでも持って帰りたいものだ。

乾徳山の彼には感謝している。