経験からの行動食
よく行動中、食べ物を食べないと「シャリバテ」が起こると言われる。「エネルギー切れで動かなくなる」という単純な発想から来ているのではないか、と思う。確かに、自動車にガソリンを入れないと走らないが、人間は複雑な細胞からなる生物であるから、それほど単純ではないと思う。
僕は、行動中あまり食べない。
昔、登山の先生に食べるようにと注意されたので無理をして食べていたが、もう注意されることはないので殆ど食べなくなってしまった。意識的に取ろうと思ってちょっとしたゼリーを口にする程度である。元々、人間は飢餓に対して対応できる能力が身についていると言われている。だから、行動中の数時間食べなくても本来大丈夫だと思っている。もちろん、僕は今まで「シャリバテ」の経験はない(それなりに下界でトレーニングをして山に入っているからかもしれない)
しかし、
テント場や山小屋に戻ってくると食べたくなる。テント泊山行の場合、夕食は決まっている。「日清のどん兵衛」に「ちりめんじゃこ」「オリーブオイル」を入れて高カロリーにしたもの。それ以外、α米等いろいろ試したがあまり好まず、結局「どん兵衛+じゃこ+オリーブオイル」に落ち着いてしまった。テント泊のこの定番は夏も冬も変わらない。3日以上の山行も同じものを食べてしまう。最近は、「ちりめんじゃこ」を多量のオリーブオイルで炒めて持参している。
そして、夕食後、水分を2L程度飲んでいる。無理にではなく飲みたくなるのである。生姜湯が定番だが、「どん兵衛」の器でスープを作ってもいい。とにかく、夏冬関係なく水分を夕食後2L程度飲んでいる。
いずれにせよ、
「シャリバテ」を起こす主な原因が「行動中の食べ物」とは思えない。そうではなく「シャリバテ」を起こすのは「行動する技術」であって、その「シャリバテ」しない行動技術を身に着ける方が先ではないか。
つまり、仮説の定理として、
「食べ物、それ以上に”行動する技術”の方が大切だ」
ということになる。
そして、その仮説から、
1.急いで行動して食べる休憩を長々入れるより、相対的に強度を落として行動し、休憩をする量を減らす方が良い。
2.荷物には制限があるから、行動食の優先順位は相対的に低くても問題はない。
3.普通長くても数日なのだから、登山中の食べ物を厳密に考えることより「下界にいるときにこそ食事に配慮する」で十分賄える。
となるであろう。勿論、前提条件として、健全で日頃から運動している必要性はあるが。